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教科書は教えてくれない

教科書は教えてくれない (Betsucomiフラワーコミックス)教科書は教えてくれない (Betsucomiフラワーコミックス)
(2009/12/24)
登田 好美

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「澄田」さんかと思ってたら「登田」さんだったんですね・・・。

登田さんの作品は陰なオーラが出ているテイストが多いのですがストーリーがすごくしっかりしてるからなんか今後に期待出来そうな感じがします。

思春期の危うげな少年少女達みたいな空気を纏ってます。同じベツコミで言うなら芦原さんとか小畑さんみたいな系統になってくれそうな感じ?


ここからネタバレ▼




■教科書は教えてくれない
中3ってとこがなんかリアルな思春期の話っぽい。小学生の頃から知っている久世が中学では女グセが悪くて有名で主人公が久世は女性と寝る時に決して服を脱がない、という噂のを聞いてしまい・・・。
主人公が性を意識している描写がリアルでした。教室で男女一緒の性教育の授業では恥ずかしくて意識しちゃうけど興味はあるような・・・。
久世の家庭環境どうこうよりも、それに対する主人公の彼を救ってあげたいという気持ちの描写とか十代の男女の心の成長過程を表現されてる部分がとても素敵でした。

でもラストで久世が転校していったのに学校に来るのが意味不明でした。単に主人公に会いたかったからなのか転校するのやめたのかがわかりづらくて。
転校して行っちゃったけど、高校の入学式で再会したとかの方が良かったのに、中3だし。

■透明な時間
少女漫画でキツイ題材だなぁというお話でした。そういう作品が多いのですが。
在り来たりでなく心に踏み込んだ話が多いですね。階段から落ちて死んだ主人公が同級生の男の子の家に行き姿が唯一見える彼の弟と一緒に過ごすお話です。イジメが題材なので軽くない話ですが、どうにも遣る瀬無い気持ちになります。
弟にはお兄さんの彼女と嘘を付くけれど実際は、お兄さんのせいでイジメられるようになった為で・・・。更に実は弟も学校でイジメにあってるってなんか読んでてしんどくなったんですが・・・ラストが明るくてよかったです。っていうかきっと暗かったらNGだったのかも知れませんけど。普通に成仏とかじゃなくてもっと良かったです。

■彼女の煙草
煙草を拾って自分で吸おうとポケットに隠してしまった所を落とした男の子に見られて・・・。煙草の代わりに、オレが吸いたくなった時にキスさせろよと言われる。今私が書いたあらすじだけ読むと明るくキュンとした展開にも出来そうだなと思ったけどストーリーは勿論そんな路線ではありません。
主人公と彼は一目を忍んでキスをしていますが少しずつ友達も何か気付きだして・・・。
主人公が学校で本当に心から打ち解けた友達とは思えないクラスメイトと過ごす学校生活に息苦しさを感じているというもっと深いお話です。

■臆病な君の手
恋愛のトラウマがある主人公のお話。好きだと言ってくれた男の子にトラウマを隠し、結婚するまで男性に触られたくないから触れないでくれるならと・・・。それでもいいと一緒に居てくれる彼ですが彼女のトラウマとは過去に元カレからヤリ捨てされたことで・・・。普通の少女漫画だったら少し重いテイストに感じますが登田さんのはもっと重い話が沢山出てくるので割と普通のラブストーリーのノリに近いと思いました。



他1篇は最初の物語と同じ学校が舞台で先生と生徒のお話。
他が強烈なので印象が薄くなってしまいました。重いけれど、決して大人マンガではなくて少女漫画な作品だなと思います。キュンとするような有り触れたラブストーリーは無いのですがこんな風に真摯な少女漫画のストーリーを描く少女漫画家さんがいてもいいんじゃないかなぁという感じのマンガ家さんです。







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