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コバルト版  恋する女たち

恋する女たち (集英社文庫 52E)恋する女たち (集英社文庫 52E)
(1981/01)
氷室 冴子

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マンガ版「恋する女たち」の感想はこちら

泣ける話でもなく、実際泣ける部分も無いんだけど、なぜだか「泣きたい気分」にさせる。
いや、「泣きたい気持ち」を思い起こさせる?「そんな話」でした。
 物語自体が切ないというより、片思いをした女性なら誰もが身につまされる部分を感じて「そんな気にさせる」話でしたね。
話自体は普通にコメディタッチ(って表現も今はあまりしない?)だしコバルト的なようでコバルトっぽくないような。。

【あらすじ】
私には二人の変な友人がいる。なにかというとすぐに自分の葬式を出す死に癖のある緑子がその一人。もう一人の汀子は秀才ではあるが何を考えてるのか全くわからない人間だ。もっとも私も普通の高校生とは言いがたい。この3人がそれぞれに恋をした。


小説版の孝子の方がとても凛々しくてストイックです。
女性同士でもベタベタしたところはなく、友達との間にも親友でありながらお互いに立ち入らない領域を持っていたり。
相手の立ち入った事に入って相手の心の深みをあえて見たくない、自分も相手の深い部分を見て感情を動かされたくないと言った少し冷めた部分を持ってるんだと思います。

沓掛君の出番も少なくて、最後にきちんと二人の関係の決着は付いてないんです。
あくまで「恋する女たち」だから孝子の中で、「失恋したって私は自分が彼を好きだと思う間は彼を思い続ける」という気持ちの決着が付いたところで終わります。

そんな3人の恋する女達がぞれぞれの自分の恋に戸惑い悩み傷つきながらも自分自身で気持ちのケリをつける。という、あくまで女性の中でだけの「ケリ」が付いたところで話は終わります。お互い深入りはしないし、詮索もしない。だけど、相手から突然何を言われても相手のことは尊重する、と言った友情関係。
これって高校生には実際、難しいですね。。

だけど、沓掛君とのやり取りはあまり無いせいかキュンとくる場面が少なく孝子が恋愛や沓掛勝について考えるといったモノローグ的な部分や、自分の沓掛勝に対する思いとは、恋愛とは、と言ったあくまで自分に向き合った語りが多いのです。
 恋愛話でありながら恋愛話ではない哲学的部分でもあり(というには大げさだけど)
ちょっと片思いの時の気持ちを彷彿とさせます。

ここが「泣いてしまう」ような話では全く無いのに「”泣きたくなる気持ち”に似たような」気持ちにされました。なんだか一人の人を思って実らないであろう自分の彼への気持ちをアレコレ考える孝子に物悲しさを感じる。そんな感じでした。

時代を感じる単語やちょっと高校生ではありえない言葉の言い回しもありますが思春期の人は読んでみると今の恋愛小説とかマンガみたいに単にキュンとする。
というのとは違った、自分の恋愛観を見据えた話で面白いかもです。
コバルトってとこが軽く読めてよかったですね。



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